タバコの法令


●「健康日本21」について・・・厚生労働省

「健康日本21」とは 

21世紀の日本をすべての国民が健やかで活力ある社会とするために、
寝たきりや痴呆などの要介護状態にならずに健康に生活できる期間(健康寿命)をより
長くすることや生活の質の向上に向けて、2010年を目途とした具体的な目標を設定して
スタートした国民健康づくり運動


タバコに関する項目 

はじめに、基本方針、現状と目標、目標値のまとめ、対策、その他、参考文献、別表


●健康増進法第25条

 タバコを吸わないのに周りの人のタバコ(受動喫煙)で肺がんや心臓病、子どもでは
乳幼児突然死症候群、心身の発育不良、知能の低下、中耳炎、気管支喘息、妊婦では
早産、低体重児の危険性が高くなることが明らかになり、施設の管理者に受動喫煙の
防止を義務づけるこの法律が制定されました。第二節二十五条)
なお、受動喫煙を受けたか否かの鑑定は尿検査(ニコチンの代謝産物コニチンを検出
)で可能です。

健康増進法案
14年7月26日参議院にて可決成立
15年5月1日より施行予定
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴
い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の
増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他
の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目
的とする。
(国民の責務)
第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたっ
て、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。
第二章 基本方針等
(基本方針)
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
六として 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関
する正しい知識の普及に関する事項
第五章     
第二節 受動喫煙の防止
 第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務
所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを
利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこ
の煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を 講ずるように努め
なければならない。
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定
める日から施行する。
☆残念ながら罰則規定はありません。

●歩きたばこを禁止する条例

「千代田区生活環境条例」平成14年10月1日から施行
東京都千代田区は路上喫煙について歩きたばこを禁止し、路上でも受動喫煙を防止
しました。違反者には過料2000円の「納入通知書」を渡します。しかし逃げたり、黙秘、署名
拒否したりする違反者のほか、殴りかかる人もいるため、区職員に警備員も加えた数
人規模の「パトロール隊」が巡回します。

       


東京都小金井市議会は2003年3月26日、道路や公園など公共の場所での歩きたばこを
禁止し、違反者に罰則を科す条例改正案を可決しました。新たに指定する路上禁煙地区で
は、喫煙自体を禁止する。市は平成15年10月までに施行したい考え。
改正されたのは、ポイ捨てなどを禁じてきた「小金井市まちをきれいにする条例」。
自転車やバイクの運転中も歩行と同じ扱いで、違反者には2000円以下の過料が科
されます。屋外での喫煙には「携帯用吸い殻入れを携帯するよう努める」とも定めてい
ます。

福岡市は全国2例目の「歩きたばこ」規制条例案を議会で可決
年間の洗浄費約7000万円が節約できるという。路上喫煙の禁止地域は、「市長が
特に必要があると認める地区」と規定。通勤客の多いJR博多駅周辺や天神地区など
が指定される見通しで、歩行中や自転車に乗車中に喫煙した場合、2万円以下の過料
(行政罰)に科せられます。規制の時間帯については「終日、または時間帯を限る」と
しました。施行は早ければ平成16年の夏の見込み。

栃木県日光市
世界遺産に登録された文化財があります。市内全域で歩きたばこを禁止する条例制定の検
討を始めました。貴重な文化財や自然を火災から守るのが狙いで、当面は罰則は設けず、
早ければ来春制定を目指しています。日光市では世界遺産の「日光東照宮」「二荒山神
社」「輪王寺」に計103棟の木造建築があり、奥日光には中禅寺湖や森林など豊か
な自然が残っています。文化財の建物内などは地元消防組合が禁煙にしてきましたが、市内
全域の規制はなく、観光客や釣り客のたばこのポイ捨てによる火災が懸念されていまし
た。条例案は策定中ですが、灰皿が設置されている所を除く屋外での喫煙のほか、空き
缶やごみをまき散らす行為を禁止する方針。観光への影響を考慮して当初罰則は設け
ないが、施行後数年の状況を見て罰則導入も検討していきます。真杉瑞夫市長は「世界遺
産と自然を守るため、ぜひ制定したい」としており、15年1月に懇談会を開いて市民の意見を
聞き、3月議会に提案する考えです。(文化財や自然保護のため制定されました)

広島市の「ポイ捨て防止条例」
平成15年10月から施行され年内を周知期間とし、平成16年1月1日から罰則が適用されます。
市中心部の指定区域内で、路上喫煙や吸い殻のポイ捨てなどをした違反者から過料千
円を徴収します。市の指導員が違反者からその場で徴収。支払えない場合は納入通知書
が手渡されます。




●厚労省の自治体への受動喫煙対策通達(平成15年4月30日)

各都道府県知事
各制令市長
各特別区長

具体的方法
1、施設内の全面禁煙とする方法と、施設内の喫煙場所と非喫煙場所を喫 煙場所か
ら非喫煙場所にタバコの煙が流出しないように分割(分煙)する方法がある。
2、全面禁煙は極めて有効であるが、規模・構造・利用状況等は様々であるため、施
設の様態や利用者のニーズに応じた適切な対策を進める。
3、その際には、「分煙効果判定基準策定検討会報告(平 成14年6月)」などを参考
にしながら、喫煙場所から非喫煙場所にタバコの煙が流れ出ないよう、適切な受動喫
 煙防止措置の方法を採用する必要がある。
4、なお完全禁煙を行っている場所では、その旨を表示し、また、分煙を行っている
場所では、禁煙場所と喫煙 所の表示を明確にする。
5、労働者のための受動喫煙防止措置は、「職場における喫煙対策のためのガイドラ
イン」に即して対策が講じられることが望ましい。


●警察関係の受動喫煙対策通達(平成15年4月30日)

厚労省健康局長名で警察庁長官あてに「受動喫煙防止について」の周知徹底の通達が
出ている。
 これを受けて5月8日に警察庁長官官房給与厚生課長から各付属機関の長や各管区警
察局総務監察(総務)部長、各管区警察学校長、東京都や北海道の警察通信部長、各
管区通信部長、各道府県警察本部長宛に受動喫煙防止策を積極的に推進されたいとの
通達が出ている。
 さらに各都道府県警察厚生課長宛にも「健康増進法の施行に伴う受動喫煙防止対策
について」の通達が出ている。


●法務省通達(平成15年5月8日)

本 省 局 部 課 長 殿
所 管 各 庁 の 長 殿
        
   平成15年度「世界禁煙デー」及び「禁煙週間」並びに
   受動喫煙防止対策について(依命通知)

 標記について,厚生労働事務次官及び厚生労働省健康局長から,別添の
とおり依頼がありましたので,貴所属職員に対し,その趣旨を徹底させるとと
もに,たばこ対策の一層の推進について特段のご配慮をお願いします。


●職場における喫煙対策新ガイドライン(平成15年5月9日)厚労省

主な事項
1、旧ガイドラインでは喫煙室又は喫煙コーナー(以下「喫煙室」という)の設置を
行うこととされていたが、新ガイドラインでは、受動喫煙を完全に防止する観点か
ら、可能な限り、非喫煙場所にタバコの煙が漏れない喫煙室の設置を推奨
2、喫煙室に設置する「有効な喫煙対策機器」として、旧ガイドラインでではタバコ
の煙が拡散する前に吸引して屋外に排出方式、又はタバコの煙を除去して屋内に排気
する方式(空気清浄装置)のいずれかの方式によるとされていたが、空気清浄機はガ
ス状成分を除去できないという問題点があることから、タバコの煙が拡散する前に吸
引して屋外に排出する方式の喫煙対策を推奨。やむを得ない措置として、空気清浄機
を設置する場合には、換気に特段の配慮をすることが必要でることを明記
3、新ガイドラインでは、職場の空気環境の基準に、喫煙室等から非喫煙場所へのタ
バコの煙やにおいの流入を防止するため、喫煙室等と非喫煙場所との境界において、
喫煙室等に向かう風速を0.2m/s以上とするように必要な措置を講ずることを追加


●空港への通達

国 空 総 第 9 0 号(平成 15 年 5月23日)
新東京国際空港公団 総裁
関西国際空港(株)代表取締役社長
中部国際空港(株)代表取綿役社長
空港周辺整備横構 理事長
(社)全国空港ビル協会 会長

(社)全日本航空事業連合会 会長殿
(社)全国空港給油事業協会 会長
(独)電子航法研究所長
(独)航空大学校理事長
(独)航空大学校仙台分校長
〈独)航空大学校帯広分校長


国土交通省航空局長

 受動喫煙防止対策について

 標記について、総合政策局長から別添のとおり協力依頼がありましたので、貴職
におかれましてもこの旨を了知の上、貴下職員及び関係各社に協力方宜しくお取り計
らい願います。


●人事院勤務条件局発令の「職場における喫煙対策に関する
  指針」(平成15年7月10日)
  
1、趣 旨
公務職場における喫煙対策については、平成9年4月1日付け職員局長通知「職
場おける喫煙対策に関する指針について」(以下(旧指針)という。)により、その
推進に努めてきたところである。
旧指針発出後、喫煙が健康に及ぼす影響についての医学的研究、社会一般の認識
等が深まり、また、本年5月1日から施行された健康増進法(平成14年法律第10
3号)において、官公庁施設の管理者に対し、受動喫煙防止対策について努力義務が
規定されたところである。
このような状況を踏まえ、職員の健康の保持増進、快適な職場づくりの観点か
ら、喫煙場所の設置や設備等について喫煙対策の一層の充実を図ることとし、旧指針
を見直し、新たに「職場における喫煙対策に関する指針」(以下「新指針」とい
う。)を策定し、発出した。
 
2、新指針の主な要点
(1) 原則
受動喫煙防止対策には、全面禁煙(庁舎全体が禁煙)と空間分煙(庁舎内の
特定の所のみで喫煙)とがあるが、新指針は空間分煙を最低基準とし、可能な範囲で
全面  禁煙の方向で改善に努めることとする。
(2) 喫煙場所
庁舎内に喫煙室を設ける。それが困難なときは喫煙コーナーを設置する。
可能な範囲で庁舎外に喫煙所を設置し、それだけで十分な場合は、庁舎内に
は喫煙場所は設けない。 
(注)
「喫煙室」は非喫煙場所と完全に仕切られている場所、「喫煙コーナー」は出
入口等が仕切られていない場所をいう。
(3) 喫煙コーナーの位置
 事務室及び会議室内の喫煙コーナーの設置は、認めないこととする。ま
た、食堂は、勤務時間中は禁煙とする。
(4) 喫煙場所の設備
 喫煙室と喫煙コーナーには、屋外への排気装置を設置する。空気清浄装置
だけでは不十分である。
(5) 空気環境基準
 職場の空気環境について、喫煙室等及びその周辺の浮遊粉じん濃度、一酸
化炭素濃度の各基準値を明示し、併せて喫煙室等と非喫煙場所との境界において、喫
煙室等に向かう風速を0.2m/s以上とすることとする。
(6) 禁煙タイム
 旧指針では認められていた事務室等における喫煙タイムは、新指針では認
めないこととする。


●最高裁判所事務総局経理局長通達(平成15年7月31日) 

高等裁判所長官 殿
地方裁判所長  殿
家庭裁判所長  殿
          
裁判所における喫煙対策に関する指針について(通知)
裁判所における喫煙対策について,国民に利用しやすい裁判所の実現の一助とす
るとともに,職員の健康の保持増進及び快適な職場環境の形成の促進を図る観点か
ら,別添(下記)のとおり「裁判所における喫煙対策に関する指針」を定めました。
ついては,これに基づいて受動喫煙の防止対策等を積極的に推進するようお取り
計らいください。
裁判所における喫煙対策に関する指針
1 目的
 この指針は,各庁において,裁判所庁舎内における受動喫煙の健康に与える影響等
を排除するために講ずべき対策(以下「受動喫煙防止対策」という。)及び禁煙を必
要とする者等に対し禁煙を支援するために講ずべき対策(以下「禁煙サポート対策」
という。)を示すことにより,国民に利用しやすい裁判所の実現の一助とするととも
に,職員の健康の保持増進及び快適な職場環境の形成の促進を図ることを目的とす
る。
2 受動喫煙防止対策
(1)基本的考え方
ア 受動喫煙を防止する方法としては,「庁舎全体を禁煙とする方法」(以下
 「全面禁煙」という。)と「庁舎内に設けた一定の要件を満たす喫煙室又は
喫煙コーナー(以下「喫煙室等」という。)のみで喫煙を認める方法」(以
下「空間分煙」という。)とがある。
裁判所庁舎内においては,少なくとも空間分煙は確保されるよう具体的対
策を講ずるとともに,可能な範囲で全面禁煙の方向で改善に努める。
イ  受動喫煙防止対策が実効性のあるものとなるためには,喫煙者は受動喫煙
が非喫煙者の健康に重大な影響を及ぼすとともに,不快感等を与えることに
より非喫煙者の心理面にも影響を及ぼすことを認識し,率先して受動喫煙の
影響の排除に努めることが重要である。
 
(2)喫煙室の設備等
ア  空間分煙の場合,庁舎内に喫煙室を設けることとし,それが困難であるときは,
     喫煙コーナーを設ける。
また,可能な範囲で喫煙所を庁舎外敷地内に設けることが望ましい。
イ  喫煙室には,たばこの煙が当該喫煙室外に拡散する前に吸引して庁舎外に
  排出する換気扇等排気装置を設置する。空気清浄装置が設置されている喫
     煙室であっても,換気扇等の庁舎外への排気装置を併せて設置する。
  ウ  喫煙コーナーは,事務室,会議室及び食堂以外の場所で,職員等の使用が
   一時的・短時間であるなど,受動喫煙の影響が比較的小さい場所に設ける。
その際,妊婦及び呼吸器・循環器疾患等を持つ者には特に配慮する。
また,喫煙コーナーには,たばこの煙が漏れないように,当該喫煙コーナ
 ー以外の場所から仕切るための設備を設置するとともに,たばこの煙が当該
 喫煙コーナーの外に拡散する前に吸引して庁舎外に排出する換気扇等排気装
 置を設置する。空気清浄装置が設置されている喫煙コーナーであっても、換
 気扇等の庁舎外への排気装置を併せて設置する。
 
(3) 庁舎内の空気環境の測定
庁舎内に喫煙室等を設けた場合には,たばこの煙の影響を把握するため,当 
該喫煙室等とその周辺の浮遊粉じん及び一酸化炭素の濃度を測定し,また,喫
 煙室等から非喫煙場所へのたばこの煙やにおいの漏れを把握するため,非喫煙
 場所から喫煙室等への気流の風速を測定する。
 
(4) 受動喫煙防止対策の推進
ア  各裁判所の長は,受動喫煙防止対策に強い関心を持ち,この指針を周知徹
底させ,率先して実施するとともに,アンケート,懇談会等を活用し,職員
の自主的・積極的な協力を得るように努める。
イ  職員は,この指針を遵守し,受動喫煙防止対策に積極的に協力する。
ウ  来庁者等には喫煙場所を知らせて理解と協力を求める。
エ  この指針に示した受動喫煙防止対策は,職場の状況を踏まえ,速やかに実
施するよう努める。
 また,庁舎の新築,増改築等に当たっては,この指針に配慮して行う。
オ  この指針に示した受動喫煙防止対策以上の措置を既に実施している場合は,
引き続きそれを推進する。
 
3 禁煙サポート対策
 
(1)基本的考え方
 各裁判所の長は,喫煙者に対して,喫煙が健康へ与える影響を再認識した
 上で喫煙の継続について自主的に判断できるよう必要な知識,情報等を提供
 するとともに,禁煙の必要な者や禁煙を希望する者に対して,禁煙を支援す
 るための具体的対策を講じることが適当である。
 
(2)具体的対策
 ア 喫煙と健康に関する研修,講習会等を開催する。
 イ 職場における健康診断,健康教育等の機会をとらえ喫煙の影響について
の情報提供を行う。
 ウ 禁煙サポートの実施に努める。
   健康診断の結果,禁煙の必要な者及び禁煙希望者に対して,医師,看護
   師等による保健指導を実施するとともに,禁煙プログラムの紹介等必要な
   禁煙指導に努める。


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