能動喫煙と受動喫煙


喫煙者が吸うことを「能動喫煙」、周囲の非喫煙者が吸わされることを「受動喫煙」といいます。

<受動喫煙はどんな病気を増やすか?>
■受動喫煙で発症することが確実な疾患の相対リスク■
小児の急性肺炎気管支炎:1.46〜2.5倍
小児喘息:1.75〜2.25倍
小児慢性呼吸器症状:1.36倍
小児中耳炎:1.19〜1.58倍
乳幼児突然死症候群:4.7倍

■受動喫煙による可能性がある疾患の相対リスク■
低体重出生:1.2〜1.4倍
小児の知能低下:5%前後の低下
小児ペルテス病:5.3倍

■受動喫煙による可能性がある成人の疾患の相対リスク■
脳梗塞・くも膜下出血:1.82倍
子宮頚ガン:3.4倍
乳ガン2〜3倍

■受動喫煙による害ではっきりしているもの(成人の病気)■
呼吸器系:慢性気管支炎。肺気腫、喘息の悪化、呼吸不全
循環器系:虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全
悪性腫瘍:肺ガン、副鼻腔ガン


(以下、上記太文字の説明・補足)

乳幼児突然死症候群は、今まで健康だった赤ちゃんが突然死亡する病気で、原因は不明ですが、三つの危険
因子が明らかになりした。うつぶせ寝、人工栄養児、そして親の喫煙です。この中でも最近は喫煙の影響が最
も大きいとわかってきました。赤ちゃんは、寝ているとき、無呼吸が見られることがあります。ある時間以上呼吸
をしないと死んでしまうので、もちろん回復するのですが、受動喫煙の状況下では、この無呼吸からの回復が見
られなくなることがあるという報告が最近でています。両親が喫煙をやめるだけで、かなりの赤ちゃんが乳幼児
突然死症候群にならずに助かると考えられます。


受動喫煙防止対策について
喫煙室を設置するために国が補助金を出すのは許されない!

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「受動喫煙で肺がんや心臓病死」
WHO(世界保健機関)は2001年5月31日の世界禁煙デーに際して「受動喫煙によっ
て人口100万人当たり年間147〜251人の死亡者が発生する」と警告。日本にあてはめ
ると2〜3万人に相当。

国立がんセンター「年に1万9000人が受動喫煙死、うち肺がんが1000〜2000人」と発
表。(平成15年5月)

受動喫煙が引き起こす心臓病で、米国内で年間3万5000〜6万2000人が死亡していると
の推計を発表。
米国国立がん研究所(毎日新聞 平成14年11月24日)

受動喫煙と肺がんの危険度
Hackshawさんらの研究(1997)では37の研究をメタアナリシスした結果、
受動喫煙による肺がんの相対危険度は
男性 1.34
女性 1.24
受動喫煙で肺がんの危険が平均30%増加する。

受動喫煙と心疾患の危険度
Heさんの研究(1999)では18の研究をメタアナリシスした結果、
受動喫煙による心疾患の相対危険度は1.24

「環境中タバコ煙にある発がん性物質」
(副流煙と喫煙者が吐き出した煙を含めたもの)
・4-aminobiphenil:膀胱癌
・砒素:肺癌、リンパ系癌
・benz(α)pyren:肺癌
・1,3butadiene:造血器の癌
・カドミウム:前立腺、血液、肺の癌
・6価クロム:肺癌
・ホルムアルデヒド:鼻腔癌
・βナフチルアミン:膀胱癌
・210ポロニウム(放射性物質):肺癌
・塩化ビニル:肝癌
・シアン化ビニル:脳腫瘍、肺癌、腸癌


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